昭和48年3月25日 特別奉修委員
                            中村良一


今、皆さんも、お聞きでしょうけれど、今あの、守明君と、あの哲美君とが、ここにお参りして帰りに、どっか、甘木の近所で、追越をしよって、しよるところへ自動車が飛び込んで来たから、その自動車を、自転車を跳ねまいと思うて、ハンドルを切った域に、こうその、自動車がケツを振った時に、電柱にもっていっておる訳たい、尻ば。そして、そのまま切りすぎてから、田んぼの中に落ち込んで、もう自動車は、もうバラバラと言う。けども、ほんなら二人は、哲美君が足をちょっと怪我しとる。僕が、どっか顔に、どっか、ちょっと、まぁかすり傷程度のだとこういう訳です。だから、本当にあの、それを聞かせて頂いて、おかげ頂いたなぁという物が、やっぱ、実感ですねぇ。一番最初に、まぁその、高芝さんから、その事を聞いたんでしょう。すぐ、その事をお礼申し上げて下さいと言うて、まぁ電話が架かってきたと言うけれど。本当に、そういう時にですね。信心させて頂いておれば、あの、おかげと思わなければおられない様な事になっとるですね。
こら、例えて、一番ひどい事を言うと、あの、久保山先生のことなんかでもね。帰りに、あらもう、ただ、命を落とされたんですけれどもね。それでも、後から考えてみると、とってもほんに、お父さんが、もう本当に、あの、こうやった、おかげの中にあったという事が、実感出来るんです。まぁお話しが出来ませんけれどもね、そこんにきは。けども、本当、おかげと思わなければおられない事になってるんです、その前後がね。という様に、その、だから、それを迂闊にしておるとですたい。その、おかげと思わなければおられない事を見失う訳です。
例えば、今の守明君の場合でもそうです。はぁ、もう本当にもう、怪我しとらんちいう事は、まぁそれは、大したおかげぞと、まぁこう言えれる信心ですね。そうりゃもう、お参りの帰りに、お前、どういうこつかち言うちから、言うのじゃなくてですね。ですからもう、これはまぁ、本当に、霊的に言うならばです。そういう問題、お参りしとったからこそ、そのくらいで済んだと言う事実も、実際はある訳です。けども、これは、分からん事ですからね。けれども、私共が、信心させて頂きよると、例え、どんな難儀なことであっても、その前後ば見てごらんなさい。必ず、はぁ、こういうおかげの中にあったち言うことが、絶対分かるごと、そういう中にあるです。
ですから、その事を、お礼申させて貰いよりましたら、ほうれん草のね、あの、根の所を、このくらいばっかり切って、それから、赤根のところも、この位ばっかり付けて、綺麗に洗ってある所を頂いてね。もうあの、一番、そういう時に有難く受ける事が、一番の力を受けることだと、ね。もう、根は、ぽんと切って捨てるじゃなくてですね。あの、本当いや、そこを、ほうれん草じゃ、ここが一番、滋養のある所。だから、そういうところを、あの、私共が、信心させて頂いておる者はね、もうそれは、おかげと思わなければおられない事実があるんです。こうならこう、その難儀な面だけ見らずに、後先を見るとね。ですから、そういう時に、お互いの信心が緩むどころか、かえって力を頂いていく。
例えて、ほんなら、あの、二人の青年の方達の場合に、これが、おかげを頂いた、色々とおかげを頂いた暁にですたい。ほらもう、一遍な、お参りしがけに、ほんな自動車が、バラバラになった。これも二人じゃったですからね。そすと、一遍な、帰りがけに、ほんな自動車が、バラバラになるごとじゃった。それでも、俺達は、信心を、そこを踏み越えて、こうやっておかげ頂いたち言うなら。そらもう、後の者に残る力と言うものは、素晴らしいですね。周囲の者も、勿論、自分も、その事によって、ほんなら、ほうれん草の根を頂くようにですたい、ね。普通なら、切って捨てたいようなところだけれども、ほんなら、綺麗に洗って、それをこう、例えば、ね。刻むようにして頂いたら、本当言うたら、ほうれん草の、一番、力になるところが、そこにある。だから、本当の力と言うのは、もう、難あって喜べという様な生き方によってしか、本当の力は生まれてこないような感じがする。しかも、その難と言うのは、やはり、考えて見れば見るほど、信心の不行き届きである。やっぱり、お詫びするところが、一杯あるという事ですね。本人達が、よく、これに手を置いてみるとですたい。ね。だから、そこに、お詫びやら、お礼やら、しかも、そういうあの、ほんなら、お参りの帰りに、こういう事がと言う様な時に、それを有難く受ける心が、もうそのまま力になるという事。まぁそのようにしていきたいと思いました。ね。信心しとっても、やはり、雨もありゃ、嵐もあるけれど、その受け方がね。おかげ頂いたで受けるか、ね。ほんな、お参りしよって、こげなこつがあってと言うて受けるか。その辺の所一つやね。